私はゼブラ

エクス・リブリス

私はゼブラ

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出版社
白水社
著者名
アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ , 木原善彦
価格
3,740円(本体3,400円+税)
発行年月
2020年10月
判型
四六判
ISBN
9784560090640

PEN/フォークナー賞受賞の傑作長篇

 「文学以外の何ものをも愛してはならない」。父から教え込まれた家訓を胸に、若き文学至上主義者ゼブラが、文学に時に救われ、時に囚われながら、度重なる亡命で分裂した自己を取り戻し、新たな愛に目覚めていくピカレスク小説。主要メディアが絶賛、イラン系アメリカ人作家による現代版『ドン・キホーテ』。
 独学・反権力・無神論の3つの柱を掲げ、冒頭の教えを家訓とするホッセイニ一族。その末裔として生まれたゼブラは、5歳のとき、サダム・フセインが仕掛けた戦争で混乱したイランを脱出する。トルコ、スペインと亡命を重ね、最後に渡った“新世界”アメリカでも父娘に居場所はない。22歳になったゼブラは、父の死で天涯孤独となり、一大決心をする―亡命生活で分裂した自己を取り戻すため、亡命の旅路を逆からたどり直そう、と。アメリカでの唯一の師の力添えで、ゼブラは“亡命の大旅行”をスタートする。バルセロナで彼女を出迎えたのは、イタリアから亡命してきた若き文献学者のルード・ベンボ。二人はすぐに惹かれ合うが、愛に臆病なゼブラは文学の鎧―過去の偉大な作家たちの言葉―で身を固め、ドン・キホーテのごとく不条理な奮闘を続ける……。

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