歩く

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出版社
ふらんす堂
著者名
安田徳子
価格
2,860円(本体2,600円+税)
発行年月
2020年8月
判型
B6
ISBN
9784781413006

◆第一句集



望の夜の雲はなやいで通りけり



このはなやぎは名月に由来するのですが、雲のこの在りようによって、かえって名月が荘厳されているかのようです。澄んだ秋の夜の一景です。

(序・中村雅樹)



◆自選十二句より

夕闇のしづしづと来る桜かな

啓蟄の人声とほくまで届く

葭切の声があちらに移りけり

神さまの実梅と言ふが落ちに落ち

亀鳴くと言ひて丸太を磨きをり

水澄んで四五人の祓はれてゐる

みどり児のまなこ澄みたる野分かな

押花に長き根のあり獺祭忌

氏神の日向を吹きし秋の風

望の夜の雲はなやいで通りけり

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