凡海 おおしあま

凡海 おおしあま

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出版社
ふらんす堂
著者名
南うみを
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2020年9月
判型
四六判
ISBN
9784781412924

◆第三句集



歯朶刈るやこほりの雫うち払ひ



「凡海」は私の住んでいる舞鶴の海、ひいては若狭の海の古名です。「凡」には風のようにすべてにゆきわたるの意味があります。

また私の名〈うみを〉とも重なり、広やかな心で俳句に向き合いたいと思い句集名としました。

(著者)



◆自選十五句より

鮎苗に雪の匂ひのかすかなる

干し若布にぎり砕きて飯のうへ

三鬼忌の草餅めうにねばりつく

呑まれゆく蛙や脚を真つ直ぐに

青蘆をゆさぶり来る投網打

蛍見のなまぬるき顔ひと撫です

祭来と鯖の頭を刎ねにけり

くちなはの水のごとくに岩すべる

地蔵会の抱き回さるる赤子かな

満月へぬた場の猪の泥しぶき

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