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◆第三句集
歯朶刈るやこほりの雫うち払ひ
「凡海」は私の住んでいる舞鶴の海、ひいては若狭の海の古名です。「凡」には風のようにすべてにゆきわたるの意味があります。
また私の名〈うみを〉とも重なり、広やかな心で俳句に向き合いたいと思い句集名としました。
(著者)
◆自選十五句より
鮎苗に雪の匂ひのかすかなる
干し若布にぎり砕きて飯のうへ
三鬼忌の草餅めうにねばりつく
呑まれゆく蛙や脚を真つ直ぐに
青蘆をゆさぶり来る投網打
蛍見のなまぬるき顔ひと撫です
祭来と鯖の頭を刎ねにけり
くちなはの水のごとくに岩すべる
地蔵会の抱き回さるる赤子かな
満月へぬた場の猪の泥しぶき
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