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川と町のあいだの森。くずれた崖の奥底で、黒いたまごから、がろあむしの赤ちゃんが生まれた。がろあむしは、まっくらな世界をかけまわり、小さな生き物たちを食べて大きくなる。ときに襲われてボロボロになりながらも、生きるために走りつづける。
やがて大きくなると、オスと出会い、たまごを産む。しかしある日、がろあむしは燃えるように赤い体とともに、その一生を終える。だれも知らない地下の暗黒世界で、ひとつのドラマが終わったとき、町は――
地下の暗黒世界に広がる宇宙と、そこに生きる小さな虫の大きな一生。そして、おなじ地平で変わりゆく人間たちの社会を濃密に描き出した怪作。『つちはんみょう』で小学館児童出版文化賞を受賞した著者が、取材に約10年を費やした渾身の絵本。
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