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「今ハ昔…」で始まる一千余話から二十三話を厳選。芥川の小説『藪の中』『鼻』や映画、劇画にも多く取り上げられた、面白うてやがて恐ろしき物語。
『今昔物語』の成立は一二世紀前半と推測され、三一巻、一〇四〇話(語)からなる日本最大の説話集である。天竺、震旦、本朝の三部に分かれ、震旦、本朝はそれぞれ仏法、世俗等の説話に分類されている。
「今(ハ)昔」に始まり「トナム語リ伝ヘタルトヤ」で終る口承説話の形式をとり、その鮮やかな表現で文学的価値が高く評価されているだけではなく、摂関・院政期の史料としても貴重な価値をもっている。本全集では本朝部の仏法・世俗についての説話を中心にとりあげた。
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