双葉山の邪宗門

双葉山の邪宗門

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出版社
草思社
著者名
加藤康男
価格
2,420円(本体2,200円+税)
発行年月
2020年9月
判型
四六判
ISBN
9784794224682

戦前の相撲界で「昭和の角聖」と謳(うた)われた不世出の名横綱・双葉山。
六十九連勝という大記録を残し、敗戦の年に引退、年寄・時津風として部屋を率いていた。
ところが昭和二十二年一月、金沢にあった新宗教団体「璽宇(じう)」に警察の強制捜査が入った際、
その前に立ちはだかり阻止しようとしたのが双葉山だった。
この「璽光尊(じこうそん)事件」において、教祖の璽光尊とともに逮捕された双葉山は、
じつは非常に熱心な璽宇の信者だったのである。

名横綱はなぜこの宗教団体に惹かれ帰依したのか。
日本敗戦、天皇人間宣言という状況下にあって、双葉山はなぜ「邪宗」と呼ばれる門をあえてくぐったのか。
双葉山そして新宗教・璽宇の姿を活写することで、
敗戦後日本の語られてこなかった一面を描きだしたノンフィクション作品。

<目次より>
第一章◎大義の戦争
焦土の訪問者/皇太子隠密観戦/引退相撲/少年期/入門から幕内/七十 連勝成らず/モツケイタリエズ/結婚/農本相撲/懐の『大義』/昭和二 十年夏/引退/人間宣言/戦死力士

第二章◎天皇を超えて
教祖誕生/敗戦前夜/「皇后の従姉妹です」/神示/璽宇詣で/天皇を超 えて/母性信仰/遷宮前夜/マッカーサー直訴事件

第三章◎復興期の神々
大本と出口王仁三郎/大本弾圧事件/二・二六事件/復興期の神々/新宗 教と文学/自称天皇のラッシュ

第四章◎天皇の踏み絵
天皇喪失/神が降りた/天変地異/スパイ潜入/神通力/〓朝日新聞〓と 石川県警/御前会議/天皇の踏み絵/警官隊突入/退転

第五章◎それぞれの断崖
精神鑑定/ハーバート・ノーマン/それぞれの断崖/「学問がなかった」/流浪/八戸事件

第六章◎崩壊する王国
天責者/天覧相撲/一点突破/下中弥三郎/永田雅一/衷情/リクルート/邪教にあらず/大義の末/終焉

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