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「いってきます」 そう言ってあの子はこの町を飛び立っていった。
こんなにも美しい“ぬけがら”だけを残して。
デビュー小説「たった3日で恋ですか」を収録した恋愛小説アンソロジー『最低な出会い、最高の恋』でその才能が高く評価された声優・夏川椎菜。電子限定リリースで話題を呼んだ自身初の小説集『ぬけがら』を待望の書籍化!
同タイトルのセルフプロデュース写真集『ぬけがら』の世界観をモチーフに、少女の成長と旅立ちを描いた、切なくて爽やかなとびきりの感動作。電子限定リリースの「ぬけがら」に、主人公の「その後」を描いた書き下ろし「新人ちゃんと先輩」を特別収録!
※本書は、電子限定リリースされた『小説 ぬけがら』(夏川椎菜・著/ソニー・ミュージックエンタテインメント)から、「ぬけがら」本編を抜粋し、新たに書き下ろし一編を加えたものです。
<仕様>
A6判/箱パッケージ入り/本文折り加工(蛇腹)/4~20頁、8点セット
<収録内容>
プロローグ/初恋のシャンプー/匿名銭湯小噺/ タカビシャとパッチ/孫と私の止めた時間/エピローグ/
新人ちゃんと先輩(書き下ろし)/あとがき(書き下ろし)
☆「なんで恋もしたことないのに、恋愛小説なんか書いちゃったの?」そう聞いてきた彼女の目はまっすぐだった――。
これは、僕の小説の初めての読者となった名前も知らないお姉さんと、まだ恋を知らなかったころの僕の話。(「初恋のシャンプー」)
☆毎週月曜と水曜の仕事帰りは“銭湯の日”と決めている。熱い湯は仕事でたまった鬱憤を洗い流してくれるからだ。
そして、湯上りに欠かせないのが、瓶入りのコーヒー牛乳と、番台に突っ伏して出迎えてくれるお団子頭の“バイトさん”なのである。(「匿名銭湯小噺」)
☆私は才能より人脈を買われる方の人間だった。そんな私の「相棒」の座についた親友・パッチ。
立ち止まったままの相棒に、いま私ができること、いや、私にしかできないこと、それは……。(「タカビシャとパッチ」)
☆妻を亡くしたとき、私の時間は止まってしまった。それからすぐに、我が家で居候をはじめた孫娘。
だが、憧れの仕事に就いたばかりの孫が、突然「会社を辞めてきた」と部屋に籠ってしまい――。(「私と孫の古時計)
<発行>すばこ舎/ソニー・ミュージックエンタテインメント
<発売>エムオン・エンタテインメント
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