取り寄せ不可
アレサンドロは高級車を降り、荒れ果てた屋敷を見つめた。
ここにトマソの孫娘、ローラ・ストウがいるはずだ。
“孫娘を見つけ、イタリアに連れてきてほしい”
亡き父の共同経営者であるトマソにそう頼まれたのは、数日前のこと。
孫娘を連れて帰れば、イタリア屈指の大企業の会長職を譲ると約束され、
アレサンドロは会社の全権を握るために、イギリスへやってきたのだ。
とにかくローラに会って任務を果たしてしまおうと、
彼は屋敷の近くにいた使用人らしき女に話しかけた――
まさかこの不器量でずんぐりとした無愛想な女性が、
当のローラ・ストウだとは思いもせず。
ローラは父を知らず、母も彼女を産んですぐに亡くなったため、母方の祖父母に育てられました。世間の白い目を避け、片田舎で貧しい倹約生活をする彼女は、華麗なイタリア富豪アレサンドロから見ればまさに、醜いあひるの子。そんな二人が恋におちる瞬間とは?
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