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「ベストセラー」以上「古典」未満
読書界の懐メロ=中古典を一刀両断!
一世を風靡した本には、古典に昇格するものもあれば、忘れ去られてしまうものもある──人気文芸評論家が、ひと昔前のベストセラー48点を俎上にのせ、現在の視点から賞味期限を判定する。
【名作度】
★★★ すでに古典の領域
★★ 知る人ぞ知る古典の補欠
★ 名作の名に値せず
【使える度】
★★★ いまも十分読む価値あり
★★ 暇なら読んで損はない
★ 無理して読む必要なし
《目次(予定、抜粋)》
住井すゑ『橋のない川』 差別への感受性を磨き直せ
丸山眞男『日本の思想』 憲法が破壊される時代への警告
中根千枝『タテ社会の人間関係』 どこが名著かわからない
庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』 東大受験生の明るい屈折
土居健郎『「甘え」の構造』 大風呂敷な居酒屋談義
山崎朋子『サンダカン八番娼館』 ルポライターとからゆきさん
小松左京『日本沈没』 天変地異の大盤振る舞い
鎌田慧『自動車絶望工場』 大企業を敵に回した果敢なルポ
片岡義男『スローなブギにしてくれ』 疾走するハードボイルド
山口百恵『蒼い時』 伝説のアイドルの「闘い」の書
浅田彰『構造と力』 ポストモダンって何だったの?
ホイチョイ・プロダクション『見栄講座』 うわべで勝負の最強レジャーガイド
渡辺淳一『ひとひらの雪』 不倫にのめった中年男の夢と無恥
村上春樹『ノルウェイの森』 過剰な「性と死」があなたを癒す
etc......
【著者紹介】斎藤美奈子 (さいとう・みなこ)│ 文芸評論家。1994年に文芸評論『妊娠小説』でデビュー。2002年『文章読本さん江』で、第1回小林秀雄賞受賞。軽妙な筆致で綴られるパンチの効いた書評や文芸評論は、幅広いファンをもつ。他の著書に、『文壇アイドル論』『紅一点論』『本の本』『日本の同時代小説』『文庫解説ワンダーランド』『名作うしろ読み』などがある。
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