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近江の北部、江戸時代から続く醸造業家に生まれた上野久一郎は、大正6年単身上京し酒販業を始める。革新的で時代の流れを敏感に察知しつつ次第に深い人間関係を築いていき、戦後日本の流通業において様々な革新的な取り組みを展開する。それは今でいうFCやSPAの形態を取ってはいるが、どこかで学んだものではなく、自らの事業展開の中から生み出されてきたものであろうと著者は分析する。
布屋本店の創業者で上野家の中興の祖といえる上野久一郎は著者が3歳の時に逝去した。そこで33歳で跡を継いだ著者の父善章からの聞き取り、郷里での古文書調査によって祖先の歴史を確認後、自らの知見で、久一郎の足跡を分析する。
家業を引き継いだ著者は久一郎とは異なるファミリービジネスの展開を行っているのだが、今回はそのことには触れず、上京後、酒問屋が揃う新川で先駆的な事業を大都会のターミナル駅周辺を中心に天日展開をおこなった痛快な祖父の足跡をたどりつつ、戦後外食産業の嚆矢にも目を向ける。近世の醸造業の実態や戦後酒販業の実情の詳述も楽しい。
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