あさみさとる「漂泊の楽人」
「自分が死んだら、こいつにワープロをあげてくれ」と兄が光彦の名を告げたと、大学時代の同期の妹が突然、訪ねてきた。海で水死した兄は殺されたと疑う彼女。真相を探るため静岡へ向かうと兄弟の母親が倒れていて……。
渡千枝「幻香」
芳香が立ち上がる一通の手紙が光彦の元に届く。差出人は見知らぬ女性。“栃木の幸来橋にきてくれなければ私は死ぬことになる”と書かれていた。迷ったあげく、指定された日時に向かうと、待っていたのは刑事だったーー。
樹生ナト「鄙の記憶」
静岡の寸又峡で地元テレビ局の記者の死体が見つかった。男は仕事仲間の新聞記者にある言葉を遺していた。事件を知った彼はその言葉を頼りに捜査を始める。一方、被害者の妻と知り合いだった光彦は彼女から相談を受けーー。
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