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日本初の女性社会主義団体赤瀾会を結成、多くの労働運動や産児制限運動に参加し、治安維持法初の女性検挙者となり、ゾルゲ事件に連座した九津見房子(くつみ・ふさこ 1890-1980)。社会主義のために自らの良心に従って生きつづけた九津見房子の生涯は、しかし、あまり知られていない。奔放に自分のために生きた金子文子や伊藤野枝とも、知識の女性であった山川菊栄とも違い、著作も派手な活動もない九津見房子は、ひたすら行動し、非合法の政治活動ではメモも残さないようにしていた。
本書は、文を残していない九津見房子の生涯と活動、その思いなどを、晩年の聞き書きや長女の著書はじめ、多くの関連資料を読み込んで再構成するものである。
岡山の女学校時代の社会主義との出会い、郷里出身の福田英子を頼っての上京にはじまり、治安維持法初の女性検挙者となり5年間の札幌刑務所での獄中生活、ゾルゲ事件に連座したため和歌山刑務所で過ごした敗戦後までの日々、そして戦後の人生。共に活動した女性たちはむろん、山川均、石川三四郎、高田集蔵、山本宣治、三田村四郎、宮城与徳、安田徳太郎ら近くにあった男性も含め、当時の現場の様子が、九津見房子の視点から生き生きと描かれる。
「これが日本で女が初めて参加したメーデーです」「いつも親が子どもに迷惑のかけどうしです」「わたしがしなくて、だれがするのか、という気持ちでしょってしまったんです」「自分たちのやったことが、どれだけの値打ちがあるのか、わからないのです」。今では顧みられることの少ない、社会主義のために行動した女たちの一端を映す。
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