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厚生労働省は、人生の最期にのぞんで、自分が望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、どのような医療を進めるかを共有する取組を「ACP:アドバンス・ケア・プランニング」として普及・啓発を行ってきました。そしてより馴染みやすい「人生会議」という愛称で呼びます。
昨今、医師や看護師は、患者や家族とのコミュニケーションを通じてこころのケアが最重要であると考え、たんなる医療ベースでなく、スピリチュアルケアや死生観研修を希望する医療従事者が増えてきています。人生の最期において、心のケアを必要とするのは、患者やその家族だけではなく、医療者として厳しい状況に向き合う医師や看護師も、そしてケアラーも例外ではありません。医療や心理学の専門的な方法だけではなく、マインドフルネスや臨床瞑想法なども取り入れ、患者も家族も、医師・看護師・ケアラーも、共に癒やし、癒やされるための方策を紹介しているのが本書です。
医療従事者向けの「人生会議」のテキストととして、緩和ケアとスピリチュアルケアに取り組んできた大阪北野病院の梶山徹医師がACPの医学的理解について執筆、そして、日本ホスピス在宅ケア研究会の理事として長年ホスピスの現場に赴き活動をしてきた飛騨高山千光寺の大下大圓住職がマインドフルネス瞑想・臨床瞑想法を実践した緩和ケアについて執筆しています。
「人生会議」の目的は、人生の最後においてその人らしく生き往くことができる仕組みをつくることであり、ケアラー自身の人生も柔軟でスピリットに富んだものになることです。
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