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堅苦しく、尊大なことで有名なマートン侯爵ドミニクは、適齢期を迎え、花嫁を探す決心をした。
妻となる女性はまさに“女性の鑑(かがみ)”であるべきと考え、条件を並べた。
血筋がよく、物静かで従順で、見るに耐える程度の容姿――ただし妻を愛したりはしない。愛は一族を破滅に追いやると教育されてきたのだ。
しかし、ある日、彼はハイド・パークで子犬を助けた令嬢ドロシアに一目惚れしてしまう。
彼女はただの准男爵の娘にすぎず、情熱的ではねっかえりで、おまけに美しすぎた。
条件にまったく当てはまらないにも関わらず、また会いたいと思ってしまった自分にドミニクは驚き、とまどうが、その後も偶然が重なり、一緒に子猫や子供を救うことになってしまう。
少しずつ理想の自分から変わっていくドミニク。いっぽうドロシアも、世間の評判とは違って見えるドミニクに惹かれるが……。
堅物侯爵の花嫁探しの行方は――?
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