取り寄せ不可
第二回笹井宏之賞大賞受賞!
「一首一首が頑なに手放そうとしない純粋な心のきらめきのようなものを、とても得難いものだと感じた。(……)奇跡が、この歌集のなかでは何度も起こっている気がする」(大森静佳)
「普遍への眼差しを一貫して保った、厳しさと勇気にあふれた歌集だと思う」(染野太朗)
「一冊を読むと、世の中から半分ずれてちょっと格好良くやっている「僕」たちのよるべない魂が感じられる。応援しよう。遠くからだけど」(永井祐)
「どうか勝手に縛られて落ち着かないで、ゆらゆらと濡れて乾いていく作者の息遣いを聞いてみてほしい」(野口あや子)
「作中の彼らは、自分らだけで伝達しあえる符丁で、まじないのように精神を共有しあう。それを作者は連作の題に据え、連作内ではその説明をしなかった。そのすべての言葉の取り扱いに対し、僕は信を置く」(長嶋有)
【歌集より5首】
ことばから補助輪が外されてなお漕ぎ出した日のことを言うから
雪の染みた靴から君が伸びている そんな顔で笑うやつがあるか
散るときがいちばん嬉しそうだった、そしてゆったり羽織るパーカー
立ちながら靴を履くときやや泳ぐその手のいっときの岸になる
スノードームに雪を降らせてその奥のあなたが話すあなたの故郷
【栞】
対岸へのひたむきさ 大森静佳
映画のように 染野太朗
座り直して季節は過ぎる 永井祐
孔雀と螺子 野口あや子
サードランナーはいない 長嶋有
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