〈中国の時代〉の越え方

〈中国の時代〉の越え方

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出版社
白水社
著者名
矢吹晋
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2020年8月
判型
四六判
ISBN
9784560097663

デジタル・レーニン主義の可能性

 「なぜ中国語を第二外国語として選んだのか、中国研究を行う意味は何か」
 1958年の勤評闘争のさなか、のちに国会に突入して亡くなる樺美智子が著者にこう質した。
 スターリン批判の衝撃を受けて、一国社会主義革命ではなく「世界革命」が時代の旗幟になっていた時代である。若き著者は「世界革命」には馴染めず、「日中戦後処理」に傾く。そうした見方を教えてくれたのが石橋湛山だった。東洋経済の記者となり、湛山の謦咳に接して、著者の中国観の骨格が形作られた。
 中国衰退論から中国脅威論まで、勃興する隣国に対する眼差しはどこか歪んでいる。たしかに社会主義中国には首肯しがたい出来事が多い。
 一方、「改革開放」へ舵を切り、世界第二の経済大国となった中国が眼前に屹立している。単に経済だけでなく、QRコード、5G、量子はじめ、中国は科学技術の最先端国でもある。そしてそれは政治面では〈デジタル・レーニン主義〉の相貌を持って現れつつある。
 パクス・シニカの時代をいかに乗り越えていくか? その先にあるものは何か? 透徹した眼差しで未来を捉えた新たな社会主義論!

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