取り寄せ不可
伯爵家を継ぐ貴公子にとって、
私は不都合な花嫁でしかないのに……。
テンパーは恋多き母のせいで、上流階級の口さがない人々から、
どうせ娘も同類だろうと、いわれなき噂を立てられていた。
男性に対してトラウマのある彼女は、母とは違うのに。
ある日、テンパーは父に強いられて社交界デビューが決まり、
兄の親友で伯爵家子息のギフが護衛を務めることになった。
手が触れただけで甘い衝撃の走る彼が、そばにいるなんて……。
戸惑うテンパーだったが、舞踏会が開かれた屋敷の寝室で、
期せずしてギフと二人きりでいるところを他人に目撃され、大騒動に。
テンパーの評判を守るため、ギフはやむなく彼女に求婚した。
夫婦の契りを結ばない、白い結婚ならとテンパーは答えるが――
妻にするなら成熟した上品で穏やかな淑女でなければならないと考えていた貴公子ギフ。それが蓋を開けてみれば、じゃじゃ馬のテンパーを娶ることに。しかも、彼女は夫となるギフに、ベッドをともにしない代わりに、よそで自由に遊んでいいと言うのでした……。
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