【フロッシング】とは、弾力性のあるラテックスバンドを関節や身体部位に一時的に巻きつける手法であり、バンドよる圧迫や巻き付けたままの自動運動、他動運動によって「痛みの軽減」「代謝の促進」「筋出力や可動性の向上」を目的としている。疼痛を抑え、患部の再生を促進しながらも復帰を考えるアスリートに必要なトレーニングは続けられるということで競技スポーツ選手などには古くから利用されてきたものである。
著者はスポーツ理学療法士として長年の間、アイスホッケー選手を中心とするアスリートの治療にあたっている。自身がトレーニングをしているときに感じた「ベルトやチューブを体に巻くことによって痛みが軽減できた」という経験から弾力性のあるラテックスを使い、正しく巻き、正しい圧迫することで痛みの軽減だけでなく筋出力や可動域の向上、再生の促進にも効果があることを明らかにし、現在の「イージーフロッシング」という治療メソッドを完成させた。
本書には、スポーツ選手以外にもさまざまな症状を訴える患者を数多く診てきた経験が盛り込まれ、イージーフロッシングを使うことで治療の効果がどれほど向上するかが示されている。
本書前半では、治療の対象となる結合組織、細胞外空間、筋膜系について最新の知見を紹介。その機能や作用が体に及ぼす影響に加え、フロスバンドの種類や巻く方向、その理由なども論理的に理解できる。後半では、イージーフロッシングを実際にどのように用いるかをわかりやすく提示。フロスバンドの巻き方を伝える写真を多く掲載し、具体的な症例を挙げて実践的理解を助けている。
これは、理学療法士、柔道整復師などボディケアのプロとして働く人たちに向けた日本でも数少ない本格的なフロッシングを学ぶための適書である。
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