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4月より全面実施された学習指導要領には、さまざまなキーワードが登場します。「資質・能力」「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラム・マネジメント」「見方・考え方」「プログラミング」などなど。
「どれも大事な教育課題」「全部やらなくては!」などと言われれば、「あぁ、やることが多くてたいへん!」となってしまうでしょう。一つ一つのキーワードを個々バラバラに捉えると、それぞれが肥大化して多忙感が襲いかかってきます。
しかし、物事は、個々バラバラではありません。どの教育課題もそれぞれに関連し合っています。
つまり、俯瞰しながら部分と全体との関係を捉え直すことができれば、個々の教育課題を通底する大きなベクトルが見えてくるようになるということです。いったんそうなれば、「自分がいま本当にすべきことは何か」「そのために、できることは何か」が明確になります。
働き方改革だってそうです。一律に方法のみを考えるのではなく、まずは大局的な見地から整理してみる必要があるように思います。
その一助とするために刊行するのが本書です。本書では、教師の仕事の中でも、特に「授業づくり」に特化しています。
物事は、文章で論理的に説明することがよいとされてはいるものの、ただ理屈っぽいだけでは頭に入ってきません。そのようなときに有用なのが「図解」です。まず「図」(構造図や構想図など)によって、教育課題の全体イメージ(概念)と他の教育課題との関連性をつかみます。その後、「解(説)」によって、自分の仕事に必要な事柄を拾い出しながら読み進めていけるようになります。
ただ、「構造図」「構想図」などというと、あれもこれも盛り込んで、かえってわかりにくい図になってしまうこともあります。説明が必要なことを全部盛り込み、すべてを正確かつ丁寧に伝えようとしてしまうからです。
そこで本書では、「乱暴なくらい」必要な教育課題のみを取り出し、可能な限り簡潔な図となるように心がけています。ですから、一つの教育課題について詳しく説明することを意図してはいません。全体像や重点事項を大括りでつかむことが、本書の一番の目的なのです。
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