漂泊のアーレント 戦場のヨナス

漂泊のアーレント 戦場のヨナス

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出版社
慶應義塾大学出版会
著者名
戸谷洋志 , 百木漠
価格
2,200円(本体2,000円+税)
発行年月
2020年7月
判型
四六判
ISBN
9784766426786

▼二〇世紀の破局を二人はどう生き、そこに何を見たのか。

「二一世紀の全体主義」に警鐘を鳴らす友情の記録。



政治の意味を問い続けたハンナ・アーレントと、

未来への責任を基礎づけたハンス・ヨナス。

盟友として、ユダヤ人として、思想家としてナチズムに対峙し、

ともに二〇世紀を駆け抜けた。

二人は、時代が課した過酷な宿命に向かい合い、

その破局に対して、それぞれの仕方で、答えを模索し続けた。

その二人の思想は「出生」という概念において、閃光のように交錯する。

アーレントとヨナスの人生と思索の軌跡を追い、

二一世紀を歩むわれわれへの問いかけを探る。





【「アーレントの葬儀におけるヨナスの弔辞」第6章より】

僕たちは、別々の場所に長く引き裂かれ、

善悪の判断が嵐に曝されたように崩壊していく世界を、切り抜けてきた。

重要なことは何で、そうではないことは何なのか、

本当に価値があることは何なのか、

恐怖すべきことは何なのか、

軽蔑すべきことは何なのか、

そういうことに対して僕たちは同じ気持ちを抱いていた。

それだけはいつも確かだったね。

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