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◆新しい俳句への挑戦
爽波がどんな句をよい句だと考えていたかは、毎月の「青」の「選後に」を読めばほぼわかってくる。当然弟子たちの作句の方向を修正したり鼓舞したりという意図もあったろうが、あの頁はたいへん貴重な内容がちりばめられている。今ここですべてを紹介することは出来ないので、次の一句を元にした爽波の考えを見てみたい。
ラグビーの選手あつまる桜の木 田中裕明
この句に対して、ラグビーの選手が集まってこれから先のことを想像するのは見当違いだとまず述べその後、集まるまでの選手たちの動きを原稿用紙一枚分以上の言葉で説明している。この欄でこれほど詳しく一句の背景を説明したのは珍しい。それほど心が動いたということであろうか。そして締めくくりとしてこのように言う。「いい俳句というものは表面単純のように見えて仲々に奥が深い。
読み手はその句の中に入って連想の翼を拡げながら自由に遊ぶことが出来る。」(「青」二月号昭和五十四年)。裕明のラグビーの句を「いい俳句」という前提でこれだけの言葉を費やしている。実際の俳句が示されているので、納得してしまう。
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