取り寄せ不可
深く問う、とはこういうことだ。個から国家までを貫く思索の轍(わだち)をたどる
1968年、学生運動が最高潮に達し、「最後の政治の季節」に登場した一冊の書物が『共同幻想論』だ。全共闘世代に熱く支持され、貪り読まれた本書は、「信じるとはなにか」「国家の起源とは」「国家とはなにか」という問いに対して深く、本質的にとことんまで考え、向き合った吉本隆明の格闘の記録でもある。
「個人幻想」「対幻想」「共同幻想」という3つのキーワードも有名だが、一方で本書はきわめて難解な内容でも知られる。吉本の主著とされ、戦後、日本人が国家について考えた最高峰とされる『共同幻想論』、その現代的意義に寄りそいながら読み解く。同時代を生き、『共同幻想論』が発した爆発的威力を知っている世代だけではなく、それ以外の人たちにも戦後最大の知識人、吉本隆明に入門できる格好の解説書。
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