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恋をしたり、愛する人を失ったりすると、私たちはその心を俳句や短歌に詠もうとする。それは千二百年前に編まれた最古の歌集『万葉集』以来、受け継がれてきた心性だ。『万葉集』では、人を恋しいと思う気持ちはどう歌われているのか。さらに時代を遡ると、それらの歌のルーツはどのようなものなのか。著者は、今も恋歌の歌垣や挽歌の伝統が残る中国少数民族にその原型を求め、日本人の抒情表現の本質を明らかにする。
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