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19世紀中葉、アメリカ文化に響き渡った「明白な運命(マニフェスト・デスティニー)」
「神から与えられた空間」として、無形のアメリカに有形の自意識をもたらしたオサリヴァンの言葉は、
アメリカの国家形成とその後のアメリカ文化において、いかなる意味をもたらしたのか?
アメリカ大陸を西へと進みゆく拡張運動を、文学作品を中心に環太平洋/環大西洋的規模でとらえ直す。
【目次】
序章 「マニフェスト・デスティニー」の響き方――時間と空間の物語(下河辺美知子)
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◎第一部――アメリカという空間、陸と海と空と
第一章 拡張と迫害――『白鯨』における不可能の共同体(田浦紘一朗)
第二章 翼の福音、それとも呪われた凶器?――リンドバーグと飛行の物語(石原 剛)
◎第二部――拡張する空間に響く言葉
第三章 アメリカ大衆の言語革命への反抗――ニーチェからみたエマソン(佐久間みかよ)
第四章 西の果てに待つもの
――フラー、セジウィック・ルイス・デ・バートンにみるマニフェスト・デスティニー(大串尚代)
第五章 声を奪われるひとびとと拡大する帝国――『U・S・A』三部作(越智博美)
◎第三部――アメリカニズムの表と裏
第六章 大西洋を渡る建国の父祖
――ハーマン・メルヴィルの『イスラエル・ポッター』にみる
「アメリカニズム」批判と再創造(田ノ口正悟)
第七章 大衆音楽と先住民表象――ジャミロクワイの歴史認識(舌津智之)
◎第四部――大西洋のこちら側とあちら側
第八章 反響するさざめき――『ビリー・バッド』とファビアン社会主義(貞廣真紀)
第九章 北米英領植民地保全と奴隷叛乱との闘い――『膨張主義以前のストノ事例(1739)(白川恵子)
第十章 コールリッジと環大西洋的想像力(巽 孝之)
あとがき
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