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本書では,クラインとウィニコットという子どもの臨床に関心を持つ人ならそれだけで興味深い理論を,『クライン派用語辞典』のヒンシェルウッドと『ウィニコット用語辞典』のエイブラムという,両派の第一人者が要領よく纏めているだけでなく,その違いをそれぞれの臨床的体験から徹底的に討論している。対話はメールによってなされているため,その場の雰囲気に流されず,相手の発言を十分に吟味した深き対話になっている。そのプロセスに沿って,二つの立場の違いを丁寧に追うことで,最終的には臨床場面で体験するような生の手応え,そして心の捉え方の核心に迫る緊張を体験できる。巻末に,両派間にありがちな神話と誤解,そして用語解説を収録。
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