3.11 Identity

3.11 Identity

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出版社
BookWay
著者名
JUMP , 斉藤久子 , 咲間彩香
価格
1,650円(本体1,500円+税)
発行年月
2018年11月
判型
A5
ISBN
9784865840087

"2011(平成23)年3月11日の東日本大震災から5年が過ぎました。長いようで短く、短いようで長かった気がしますが、皆様にとってはどのような5年間でしたでしょうか? 5年前の恐怖や不安などは、皆様の記憶から少しずつ薄れているのではないでしょうか。私たち歯科医師も、実際に遺体安置所で身元確認のための作業を行いましたが、少しずついろいろなことが確実に記憶から消えています。

東日本大震災では、延べ約3,000名の歯科医師が被災地の遺体安置所で身元確認のための作業を行いました。そして、歯科医師による「歯科所見を用いた個人識別」は社会から大きく評価されました。しかし、同時に「歯科所見を用いた個人識別」における多くの反省点や日本における身元確認システムの問題点も浮き彫りになったことをご存知でしょうか。「歯科所見が身元確認に役立つ」ということが社会的に認知されるきっかけとなった日航機墜落事故でも、当時数々の問題点が指摘されました。

東日本大震災の身元確認作業では、過去の大きな事故や災害の反省点はどれだけ活かされていたのでしょうか?
本ブックレットでは、日航機墜落事故、阪神・淡路大震災そして東日本大震災の死因や年代別死者数などを比較し、歯科所見による身元確認作業の問題点を再検証しました。そして、これまで何十年も語られることのなかった、当時検死を行った歯科医師たちの心の声をまとめました。また、私たち自身も、5年前の東日本大震災における身元確認作業を経験して感じたこと、悲しかったこと、悔しかったことなど、素直にそれぞれの想いを皆様に伝えることにしました。

もし明日、死者13,000人 と推定される首都直下型地震や、死者33万人と想定される南海トラフ地震が起きてしまったら。もし2020年の東京オリンピック・パラリンピックで大規模テロが発生してしまったら。
尊い命が奪われるだけでなく、数えきれないほどの「誰だかわからない」身元不明のご遺体がでてしまう可能性が、いまこの瞬間にもあるのです。災害時でなくても2万体という身元不明者を抱えている日本に、多数の身元不明遺体に対応することのできる体制が整っているといえるのでしょうか。
私たちJUMPは、そんな日本の身元確認体制に危機感を持ち、ひとりでも多くの身元不明者の身元を特定し、行方不明者を減らすという目的のために立ち上がりました。

本ブックレットを通じて歯科医師たちの想いに共感してくださった方、私たちJUMPと一緒に災害大国である日本が身元不明遺体ゼロになる社会を目指しませんか?
それが、今すぐでなくても、十年後、数十年後であっても。

斉藤久子
JUMPを代表して"

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