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横溝正史がもっとも多くの作品を残した捕物帳「人形佐七」シリーズ。
残されたすべての作品180篇を収めた決定版全集!!
江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇。
戦前〓戦後に書き継がれた妖艶・怪奇・戦慄の作の全貌を知らしめる!
好評シリーズの第三巻!
■編集委員 浜田知明 本多正一 山口直孝
■校訂・解題 浜田知明
■解説 末國善己
■装幀 クラフト・エヴィング商会
全巻に横溝正史次女・野本瑠美氏のエッセイを連載
日華事変(日中戦争のこと)が泥沼の様相を呈してきた昭和13、4年頃から、探偵小説は不健全で好ましからぬ読物として、軍や情報局から圧殺されてしまったが、捕物帳のほうはふしぎにお目こぼしにあずかった。しかし、それも長くはつづかず昭和17年頃、その人形佐七にも弾圧が下った。雑誌連載まかりならぬということになったのである。そのときの身を切るようなつらさを、私はいまでも思い出すことが出来る。(略)長く書き続けてきたお粂、佐七のご両人、辰や豆六との訣別がつらかったのである。長く書きつづけているうちに、いつか自然と情が移っていて、最後の一編を書くときには、断腸の思いであったといってもいい過ぎではないであろう。
(横溝正史「人形佐七捕物帳Ⅰ」/『真説 金田一耕助』より)
■収録崎品一覧
「血屋敷」
「敵討走馬燈」
「捕物三つ巴」
「いろは巷談」
「清姫の帯」
「鳥追人形」
「まぼろし小町」
「身代り千之丞」
「出世競べ三人旅」
「怪談閨の鴛鴦」
「人面瘡若衆」
「蝙蝠屋敷」
「笛を吹く浪人」
「狼侍」
「日蝕御殿」
「雪達磨の怪」
「坊主斬り貞宗」
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