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ラモーという人物と、彼の音楽理論への導入となる一冊。『和声論』を完訳した気鋭のラモー理論研究者による書き下ろし。
扱われる内容は、「自身以前の数世紀にわたる西洋音楽理論における“数比の伝統”に則るかたちで理論家としてスタートしたラモーが、西洋近代を画することになる科学革命や18世紀フランス啓蒙主義の只中でいかに“音楽理論と科学”の統合を目指したか(そしてこの試みが必ずしも成功しなかったか)」。
中心となるテーマは「協和的とされる音程はどのように定義されてきたのか」、そして「なぜ“ド・ミ・ソの和音”が西洋音楽において特権視されるのか」。
数比の伝統(ピュタゴラスとザルリーノ)に言及した後、ラモー理論の一大特徴である、中世の伝統から科学への転換を追う。
終盤ではラモーへの批判も取り上げる。ラモー理論の弱点・欠陥を正確に捉えることは西洋音楽理論が抱え込んでいる諸問題を理解するためにも重要である。
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