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詩人の長田弘さんが逝去されてから、2020年5月で5年になります。本書はその長田さんの「新刊」です。
長田弘さん(1939~2015)は、逝去される2015年5月までの11年間にわたり、読売新聞「子どもの詩」の選者を務めていました。選んだ子どもの詩に毎日添える「選評」だけを独立した一冊にまとめ、『語りかける辞典』という書名で出版したい。それが長田さんの遺志だったのですが、それをやっと実現したのが、この『風のことば 空のことば ~語りかける辞典~』なのです。
項目は五十音順になっており、〈辞典〉のような構成です。しかしその内容は、長田さんが語りかけてくるような言葉が詰まった〈詩集〉。そして、『最初の質問』『幼い子は微笑む』(ともに講談社)で長田さんの詩を絵本化した画家のいせひでこさんの絵がすべての見開きに入っていて、〈絵本〉のような雰囲気も漂います。
何気なくページをめくれば、空から詩人の言葉のそよ風が吹いてくる――そんな不思議な一冊です。〈小学高学年から〉
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