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おかみさんから・・・
戦争孤児となったわたしは、兄とばらばらに生きのびました。焼けあとでねむり、親戚知人の家を転々とし、ただただ生きることでせいいっぱい。雑草をさがしてとって、拾ったなべで水だけで煮たててすすったこともあります。三代目金馬師匠に「うちの子におなり」と拾われたとき、「これで助かる! 助けてくれる大人がいた」そう心から思いました。それからわたしはお世話になった師匠と同じ噺家の家へお嫁にいって、4人の子の母になり、おおぜいの夫のお弟子さんたちを育てることができました。今は孫も6人います。「どんどんまっすぐ歩いているとじょうずに生きていける」と思いました。おさないときの親の情から生まれた言葉です。 戦争ほど悲しいものはありません。幸せな家族を死なせ、幸せに育った子をひとりぼっちにしました。言葉にならない、文章では表わせない苦しみを味わいました。決してわたしのような子を作らない、戦争のないくらしを続けていけるように、平和な今日を守り続けましょう。わたしと同じく素人の亡き夫の弟子が絵をかきました。平和への祈りとともに、下町のよさを残したいと思っての絵本でもあります。(絵本あとがきより抜粋)
海老名香葉子
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