呼吸器ジャーナル Vol.68 No.2(2020)

呼吸器感染症診療の最前線ー症例から学ぶエキスパートの視点ー

呼吸器ジャーナル

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出版社
医学書院
著者名
迎寛
価格
4,400円(本体4,000円+税)
発行年月
2020年5月
判型
A4
ISBN
9784260029018

肺炎に代表される呼吸器感染症は、医学的にだけでなく社会的にも大きなインパクトを与えうる重要な疾患群である。2019年末、中国・武漢で発生し、瞬く間に世界中へと感染地域拡げ世の中を混乱に陥れた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その影響の凄まじさを如実に物語っている。過去にはスペイン風邪により世界で多くの方が亡くなっているが、最近でもSARS、MERS、パンデミックインフルエンザ(H1N1)2009といった新興感染症による同様の騒乱があった。このような未知の感染症であったとしても、基本的にはわれわれが日常的に診療している、飛沫感染により伝播するウイルス性呼吸器感染症への対応と異なる点はさほど多いわけではない。呼吸器感染症に対する日頃の診療の質を高めることが、このような非常時の際にも冷静かつ正しい判断へと結びつくと思われる。

 COVID-19感染症に限らず、肺炎の死亡率は現在高止まりしており、新規抗菌薬の開発が滞っている現代においては、今使える医療資源を最大限に有効活用しなければならないが、第一選択薬になるような抗菌薬の国内での欠乏も実際の現場では起こっている。さらに、薬剤耐性菌の蔓延は世界的な問題にもなっており、AMR対策の面からは、ただ単に目の前の患者を治すだけではなく、将来の患者が耐性菌で苦しむことがないように、抗菌薬の適正使用も重要な課題となっている。

 このような難局をわれわれ臨床医が打開するためには、最新のエビデンスやガイドラインに精通することはもちろんのことであるが、長年の経験や技量に長けたエキスパートからの視点も極めて重要であろうと考え、日本の呼吸器感染症診療をリードする各分野のエキスパートの先生方に依頼して、病態、診断、治療の基本から症例をベースとした応用に至るまで幅広くかつ深い内容で解説して頂いた。COVID-19感染症についての解説は残念ながら時間的な制約のためのために不可能であったが、急性気道感染症、微生物学的検査、市中肺炎、ウイルス性肺炎の項目を精読して頂ければ、十分対応が可能ではないかと思われる。

 本特集は、どの項目も極めて魅力的で見逃せない内容となっており、是非手にとってご覧いただき、明日からの診療にお役立て頂ければ幸いである。

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