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怪異や難事件の最後の駆け込み寺・薄紅の姫。彼女に依頼が成立するのは、物語にまつわる品が差し出されたときだけ。薄紅は重度の物語中毒で、特に『源氏物語』には目がないというのだ。
――この異名が広がったのは、晴明の孫である若き陰陽師・奉親のせい。訪ねて来た彼に早く帰ってほしい一心で、物語知識を駆使し怪異の謎を解いたのが悪かった。薄紅を使えると判断した奉親は、言葉巧みにたびたび彼女をモノで釣っては謎解きにかり出すことに。
「また相談ですか? 私は読書に集中したいのでございます!」
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