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"アニメ制作現場の日常と働き方に迫る
フリーランサーのアニメーターたちは、なぜ集まって働いているのか。アニメ制作の現場はどのように維持されているのか。あるアニメ制作スタジオでの綿密な参与観察を通して、労働の実態と「当事者の論理」に迫る
本書の議論が示唆しているのは,ある労働現象を搾取として批判したいのならばなおさら,その職場において成立している秩序を注意深く詳細に至るまで捉えていく必要があるという点である。そうした議論を経ない批判は,労働現場の当事者たちを「判断能力喪失者」(Garfinkel 1967)として捉えてしまうことになりかねない。
職場の秩序を作るのは研究者ではなく,まずはその職場に属している労働者たちである。そこで労働者が取り組んでいる配慮や努力を考慮せずに批判しても,それはそもそも当事者にとって意味をもたない批判となり,結果として空振りに終わってしまう可能性がある。(「終章」より)
●著者紹介
松永 伸太朗(まつなが しんたろう)
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。法政大学・日本体育大学非常勤講師,(独)労働政策研究・研修機構アシスタントフェローを経て,現在,公立大学法人長野大学企業情報学部助教。
【主要著作】
「H社におけるオフィスのフリー・アドレス化の取り組み」(『生涯学習とキャリアデザイン』15(2),99?106,2018 年〔共著〕),「フリーランサーが場を共有して働くことの意義――アニメーターの労働過程を事例として」(『日本労働研究雑誌』691,93?99,2018年),「アニメ作画スタジオにおける経済活動と空間的秩序――職場のモラル・エコノミーの社会学的研究」(2017 年度一橋大学大学院社会学研究科博士論文,2018 年),「サイボウズ社のオフィスデザイン――オフィス改革の効果とその経緯」『生涯学習とキャリアデザイン』(15(1),113?120,2017 年〔共著〕),『アニメーターの社会学――職業規範と労働問題』(三重大学出版会,2017年),「フリーランスとして「キャリア」 を積む――アニメーターの二つの職業観から」『日本オーラル・ヒストリー研究』13, 129?150,2017 年〔共著〕),「アニメーターの過重労働・低賃金と職業規範――「職人」的規範と「クリエーター」的規範がもたらす仕事の論理について」『労働社会学研究』17, 1?25,2016 年)他"
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