取り寄せ不可
シングルマザーのクリスティンは、これ以上ないほど困窮していた。
働きづめのせいで、3歳の息子ニコから笑顔も消えてしまった。
もうどうしようもない。私のプライドなど捨てて、
ニコの父親に会いに行き、あなたには息子がいると伝えよう。
かつての恋人、シチリアの大富豪セルジオは子どもを望まなかったが、
すこしの間だけでもいい、息子への援助をお願いしなければ……。
けれどそう決意した矢先、新聞でセルジオが婚約間近だと知る。
いてもたってもいられず、彼女は婚約発表のパーティ会場に駆けつけた。
彼は伯爵令嬢と結婚しようとしている――息子の存在も知らないまま。
クリスティンは、思わずセルジオに駆け寄っていた。
なんとかセルジオと話すことができたクリスティンでしたが、あの頃よりさらに魅力を増した彼に翻弄され、再び身を任せてしまいます。息子の存在を知った彼は、便宜的に結婚しようと言いだしますが、そこに愛がないのは明らかで……。
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