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保育指針や教育・保育要領が改定(訂)されたことから、保育者になる学びの内容(保育士養成課程)も改定されることになります。2018(平成30)年に「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」が見直されました。その中で、子どもの最善の利益を基本にして、子育てや保育をめぐる現状を考慮し、あるいは社会からの要請に応えた形で、これまでの教科目が再編、創設されました。
カリキュラムの見直しの観点は以下の通りです。
1. 乳児保育(3歳未満児の保育を指す)の充実
2. 幼児教育を行う施設としての保育の実践
3. 養護の視点を踏まえた実践力の向上
4. 子どもの育ちや家庭への支援の充実
5. 社会的養護や障害児保育の充実
6. 保育者としての資質・専門性の向上
以上のカリキュラム見直しの視点は、それぞれ独立してあるのではなく、お互いに絡まり合い、多少の重複をしながらカリキュラム全体を通して実現されるものですが、本書が直接に関連するのは、4. 子どもの育ちや家庭への支援の充実の部分です。そこでは、子育て家庭支援に対する基礎的な理解の促進が目指されています。保護者と連携した「子どもの育ちの支援」を目指すためには、「子どもと家族・家庭」をより深く理解することが充実した支援の根幹をなすと考えられているからです。
また、保護者と連携した「子どもの育ちの支援」と表現されながら、そこで展開されている支援の表れが同じように見えたとしても、そのよって立つところの子育て・子育ち観が異なれば、子どもと家族がその支援で経験していることの意味が全く異なってきます。本書の子育て子育ち観を第12章1.本書が依拠する子育て・子育て観に述べました。この考え方は本書の改訂前の家庭支援論と同じです。改訂版においてもこの考え方を下敷きにしながら、子どもと家族・家庭を支援することの意義やあり方、そして目指す方向を考えたつもりです。この先を、本書を手に取られたみなさんと一緒に考えていけるとしたら、そして、その考えを形にしていくことで、子どもと家族・家庭の最善の利益に少しでも近づいていけるとしたら、それは、筆者の大きな喜びです。
(本書はじめにより抜粋)
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