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この現代語訳を読めば、770年前の鎌倉時代に渡来したばかりの、中国南宋禅の生々しい息吹を感じるに違いない
(推薦文)
近年、日本の中世禅の形成に関して、さまざまな新資料が発見され、その多様な様態が明らかになっている。その中で、渡来僧として、宋の禅風をそっくり移植し、後代の禅宗を方向付けたのが、建長寺開山蘭渓道隆であった。その事績や思想を知るには、語録の解読が不可欠であるが、禅特有の漢文は難解で、研究が遅れていた。この度、彭丹氏の流麗な訳によって、全体を読めるようになったことは、まことに喜ばしい。法語に示された蘭渓の細やかな心遣いや人間性までもが、その訳文を通して生き生きと伝わってくるようだ。
末木文美士
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