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日露戦争前後から、殉死、暴動などの血なまぐさい事件だけでなく、社会軌範をおびやかす〈不気味なもの〉が頻出するようになる。桜井忠温『肉弾』、漱石『心』、大逆事件などをめぐる文学を題材に、国民化の圧力と民衆の反応・反発の力学を活写する。
・従来の国民国家論では見落とされがちだった、民衆・大衆の主体性をさぐる。
・文学が探知した〈不気味なもの〉のなかに、現代にも通じる「徴候」を指摘する。
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