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たった一人で連邦最高裁に訴え、米国の法を変えた、貧しい男の物語。
クラレンス・アール・ギデオン(Clarence Earl Gideon)は、パナマシティのビリヤード場(兼賭博場)に侵入し窃盗を行った罪で訴追され、弁護人の選任を申し出たにもかかわらず裁判所に拒否され、有罪となっていた。州の刑事事件においては、1942年の連邦最高裁によるべッツ対ブレイディー判決により、貧しい重罪事件被告人は、死刑その他特別の事情がある場合以外には、裁判所により弁護人の選任を受ける権利が認められていなかった。ギデオンは、弁護人の援助を受ける権利の侵害を理由として、連邦最高裁に有罪判決の破棄を求めた。
ギデオンが有罪となった州裁判所での事実審理の模様、弁護人がどのように訴訟に備え、全米各州の司法長官や著名な研究者などがどのような役割を果たしたのか、そして連邦最高裁での弁論と結論、それに基づくギデオンに対する新たな事実審理の様子などを、訴訟記録をはじめとする膨大な資料に基づいていきいきと描き出す。アメリカの憲法判例を学ぶための古典的名著。
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