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画家・遠藤彰子の代表作《鐘》味読の旅へーー
「人間の存在」や「生きている実感」をテーマに、魂を揺さぶる壮大な物語を描く画家・遠藤彰子。500号三連で1500号大の《鐘》は、遠藤の画業にとってひとつの到達点であり、転換点に位置する代表作。月が照らす大地に登場するのは数え切れない動植物、とりわけ人物だけで数百人が描かれたこの巨大画を、本人の言葉もひもときながら、全体から細部へ、テーマからモチーフへと読み解いていく。遠藤の絵画世界に迫る「一作一冊」の試み。
【目 次】
はじめに──「一作一冊」の試み
1章 遠藤彰子にとっての《鐘》
2章 《鐘》の主題と構成
1 主題 〈食の饗宴、底流には死〉
2 構図 〈パノラマと同心円〉
3 変容 〈モチーフと時空における〉
4 人間 〈小さな人物にも感情移入〉
5 動植物 〈食物連関と弱肉強食〉
6 風景 〈野火、河、日月〉
3章 《鐘》中央画面──現世の享楽の終わり
1 主役は危機に瀕する三美神か
2 白昼の饗宴にふさわしい豪勢な食物
3 果物が女に変容する
4 宙を舞い、落ちゆく人たち
5 後景には余暇の光景が
6 台を欠いた卓布の陰で
7 河のこちら側の不穏な群像
4章 《鐘》右画面──老・病・死と貧しい日常
1 老・病・死の不気味
2 蒼ざめた馬
3 暁闇の黒い犬または狼
4 黒い鳥は飛び、白い鳥は落ちる
5 裸の老木と木立
6 貧しい食卓と死の舞踏か
7 水は橋で逆巻く
5章 《鐘》左画面──生の悦楽と食物連鎖
1 当たり前すぎる三組の母子
2 獣の頭部を囲む卓上の飲食
3 飽食と欠乏
4 再び変容というテーマ
5 遊戯する群像と不動の一点
6 流れては消える河の円環
7 黄昏に際立つ炎と野火
8 月と山の稜線
おわりに──《鐘》から「四季」へ
巻末資料
1 遠藤彰子のおもな自作解説
2 遠藤彰子のおもな他者作品評
3 略歴 遠藤彰子・森山明子
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