遠藤彰子《鐘》のすべて

遠藤彰子《鐘》のすべて

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出版社
美学出版
著者名
森山明子 , 遠藤彰子
価格
1,980円(本体1,800円+税)
発行年月
2020年3月
判型
B5変
ISBN
9784902078589

画家・遠藤彰子の代表作《鐘》味読の旅へーー
「人間の存在」や「生きている実感」をテーマに、魂を揺さぶる壮大な物語を描く画家・遠藤彰子。500号三連で1500号大の《鐘》は、遠藤の画業にとってひとつの到達点であり、転換点に位置する代表作。月が照らす大地に登場するのは数え切れない動植物、とりわけ人物だけで数百人が描かれたこの巨大画を、本人の言葉もひもときながら、全体から細部へ、テーマからモチーフへと読み解いていく。遠藤の絵画世界に迫る「一作一冊」の試み。

【目 次】

はじめに──「一作一冊」の試み

1章 遠藤彰子にとっての《鐘》

2章 《鐘》の主題と構成
 1 主題 〈食の饗宴、底流には死〉
 2 構図 〈パノラマと同心円〉
 3 変容 〈モチーフと時空における〉
 4 人間 〈小さな人物にも感情移入〉
 5 動植物 〈食物連関と弱肉強食〉
 6 風景 〈野火、河、日月〉

3章 《鐘》中央画面──現世の享楽の終わり
 1 主役は危機に瀕する三美神か
 2 白昼の饗宴にふさわしい豪勢な食物
 3 果物が女に変容する
 4 宙を舞い、落ちゆく人たち
 5 後景には余暇の光景が
 6 台を欠いた卓布の陰で
 7 河のこちら側の不穏な群像

4章 《鐘》右画面──老・病・死と貧しい日常
 1 老・病・死の不気味
 2 蒼ざめた馬
 3 暁闇の黒い犬または狼
 4 黒い鳥は飛び、白い鳥は落ちる
 5 裸の老木と木立
 6 貧しい食卓と死の舞踏か
 7 水は橋で逆巻く

5章 《鐘》左画面──生の悦楽と食物連鎖
 1 当たり前すぎる三組の母子
 2 獣の頭部を囲む卓上の飲食
 3 飽食と欠乏
 4 再び変容というテーマ
 5 遊戯する群像と不動の一点
 6 流れては消える河の円環
 7 黄昏に際立つ炎と野火
 8 月と山の稜線

おわりに──《鐘》から「四季」へ

巻末資料
 1 遠藤彰子のおもな自作解説
 2 遠藤彰子のおもな他者作品評
 3 略歴 遠藤彰子・森山明子

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