「病む」にまつわる人間科学の各アプローチにより、人間と人間社会にとっての普遍的な問題としての「病むこと」の意味を見出す。医学、哲学、霊長類学の立場から病むことの意味、生きることとの関連について論じた上で、臨床心理学、臨床哲学、社会福祉学、医療人類学の立場から様々な治療や癒やしの制度について、それらが「病」や社会にとって持つ意味について論じる。さらに、人類学と社会学の立場から、「病むこと」と社会の間に生じる様々な関係、社会における「病気」の意味について論じることで、「病むこと」とそれに向けられる社会制度と社会のまなざしが、人間社会における普遍的で不可分な重要性をもつことを明らかにする。
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