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本書では,リーマンの業績のうちの解析学的側面,特にリーマンの直感ないしはイメージングに発したリーマン面の理論の発展の一つの方向を解説する。
まず,リーマン面の構成について,おおよそのイメージがつかめるように解説する。次に,リーマン面の古典的な理論を解説する。コンパクトリーマン面におけるアーベル微分を導入し,リーマンの周期関係式の詳細を述べ,リーマン-ロッホの定理,アーベルの定理へと至る。最後に,いわゆるリーマン面上の「素数定理」と,最近得られたその進展を解説する。ここでいう「素数定理」とはリーマン面上の双曲計量に関する閉測地線の長さの分布に関する定理であるが,これに関係して,フーバーの定理やミルザハニの結果も紹介する。
本書では,リーマンの時代の論法をベースにした解説を行なうように努めている。コンパクトにまとめられていながら,「リーマンの解析学」の雰囲気を感じとれる書となっている。
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