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本書は、一般的なビジネスマナーやスキルの指南にとどまりません。「自分らしい働き方」をするために、今という時代を生き抜く社会人としての基本を一冊に詰め込んだ本です。
ビジネスマナーやスキルを説いた本はほかにも存在する今、なぜあらためてこの本を書こうと思ったのか――それは、約10年前に独立してから今日まで、年間200回を超える研修や講演を通じて出会った、若手のビジネスパーソンの「ある誤解」がきっかけでした。若手のビジネスパーソンが抱きがちな「ある誤解」とは、こんなことです。
「まだ若手のうちは、そこそこの結果を出していればOKだろう」
「今はまだ成果に目立った活躍をしていなくても、そのうち大きなチャンスが回ってくるはずだ」
……あなたも、そんなふうに考えたことはありませんか? もちろん、この考え方を否定するつもりはありません。ですが、もっと自分らしく自由に働きながら、確実に結果を出せる方法があります。
というのも、どれほど頭や要領がよくて優秀な人であっても、若手の頃に「今はまだそこそこでOK」というスタンスで仕事に取り組んでいると、30代に入り「いよいよこれから」という大事な時期にチャンスが回ってこないケースが多いからです。「仕事で手を抜くことがあるから心配……」「責任ある仕事を任せるにはちょっと頼りないな……」などと思われ、チャンスが遠ざかってしまうこともあります。
本書は、そんな若手が抱きがちな誤解を解き、チャンスを呼び込みやすくするための指南書でもあります。これからのあなたにどういう仕事のチャンスが回ってくるかは、今のあなたの仕事の取り組み方で決まると言ってもいいのです。
「社会人基礎力」という言葉を聞いたことがありますか? これは、経済産業省が発表している社会人にとって必要な基本的な3つの力のことを言います。基本的な3つの力とは、「前に踏み出す力(一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力)」「考え抜く力(疑問を持ち、考え抜く力)」「チームで働く力(多様な人々とともに、目標に向けて協力する力)」です。本書を読み終わる頃には、この3つの力が備わるような仕掛けになっています。
そして、基本的な3つの力に加え、私自身が上司や先輩から教わってきたこと、自分で試してみて実際に役立ったことも惜しみなく書いています。
今は、パワハラやモラハラといった各種ハラスメントへの意識が高まる一方で、立場の違いや環境を理由に物事を教わりにくい時代になりました。
だからこそ、社会人の先輩である上司や先輩が「本当は教えたいけれど、言いにくいこと」や「理解してほしいけれど、なかなか伝えにくいこと」といったマナーやスキルについても、本のなかで数多く紹介しています。トップエリートと呼ばれるビジネスパーソンになるために、基本を超えたレベルで挑戦してほしいこともたくさん書きました。
どこから読んでいただいても、あなたにとってこれから先、必ず役に立つ内容ばかりだと確信しています。
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