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生徒が自立した学び手になるために、教師は生徒をどうエンパワーしたらよいのでしょうか。本書では、「選択」と「オウナーシップ」をキーワードに、エンパワーメントの主人公となる生徒にいかに教室で「権限を与える」かが、具体的なエピソードとともにやさしく説明されています。また、筆者たち自身がそれまで現場で実践してきた授業を「観光バス」にたとえて振り返り、観光客(生徒)をバスに乗せ(自分たちがつくったカリキュラムにおしこめて)、観光ガイドとして振る舞っていた、と反省するくだりは、なかなか興味深いものです。
すべてのブレイクスルーは、州のテスト後の空いた授業日に行った、移民についてのドキュメンタリーをつくるプロジェクトでした。うまくいったとは決して言えませんでしたが、選択することに慣れていない生徒たちが、混乱しながらも次第に学びのオウナーシップを発揮していったのです。このような経験から筆者たちは授業の見方を変え、「生徒が自分で判断できるのに、教師の私が判断してしまっているケース」を洗い出していきます。生徒をエンパワーしたいと思っているすべての教師にとって、背中を押してくれるエピソードと言えます。
学びに関する選択肢を提供されたからといって、それだけで生徒が自立的な学び手になるわけではありません。自立的な学び手は、自発的に行動し、自己を管理することができます。本書には、そのような姿勢を育むために教師のできること、すべきこと、具体的な働きかけ方や学習環境のつくり方が、ワクワクするようなアイディアやエピソードとともに紹介されています。実践家たちの柔軟な考え方やマインドセットに触れることで、きっと「このプロジェクト、自分でもやってみようかな」という気になることでしょう。生徒だけでなく教師もエンパワーする内容です。(翻訳協力者 井久保大介)
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