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循環器疾患患者の多くは多疾患有病者であり,原疾患を含む多くの臨床所見から運動療法におけるリスクの層別化を図る必要がある。また,運動中の呼吸ならびに循環応答を適切に捉えることが運動処方の組み立てを大きく左右することから,これらの応答をより客観的に捉える高い評価技術が求められている。さらに,二次予防(再発予防)に向けて,退院後の疾患管理ならびに日常生活活動について教育的に働きかける指導能力が必要となるなど,疾患の特性に焦点をあてて,評価技術と治療技術を応用していく能力が求められている。
そこで本書は,循環器疾患に対する理学療法の臨床的意義や運動療法(プロトコール)の列挙にとどまらず,理学療法を組み立てるための理論的背景とその理論に基づいた評価ならびに治療技術を明らかにし,臨床の場で必要な知識が身に付くことを目指した。
改訂第2版では,心エコーやPCIの普及など進歩著しい循環器医療についてアップデートし,禁煙指導や術後ケアについても項目を設けた。
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