◎斎藤真理子さん評(「ハフポスト日本版」2020.10.17)
《本書は済州島の海女たちの暮らしと闘いがテーマとなっており、厳しく優しい海の生命力と海女たちの誇り高い人生が溶け込んだ読み応えたっぷりの一冊》
◎金時鐘さん評(『現代詩手帖』2020年8月号)
《差し出してみたい一冊の詩集》《歴史の闇に取りついた詩人/日本の詩には見られない、まれな詩的リアリズムをここに見る》
◎「ふぇみん」2020.7.5
《済州島生まれの著者…が海女たちの人生を綴った…海面に浮かび上がる時に、たまりにたまった息を吐く磯笛のような、水の詩に耳をすます。それは絶望の歌でなく、生に続く希望の歌だ》
◎「毎日新聞」2020.6.14
《詩集に満ちるのは、呼吸のリズム。海に潜り、呼吸を整え、また潜る。海女たちの身体に刻まれた記憶が、詩のリズムの中で読者の体も揺らす》
◎佐川亜紀さん評(「しんぶん赤旗」2020.5.29)
《一九三二年の海女抗日闘争などをしなやかな言葉で書く。…民衆の闘いの歴史が勇気を与えてくれる》
◎田原範子さん書評(「週刊読書人」2020.5.22)
《ホ・ヨンソンは、文学は時代に対する応答だという。人びとの苦痛と記憶に光をあて、生と死のあわいを漂う海女の声をひろいあげた》
◎山内光枝さん書評(「熊本日日新聞」2020.4.26)
《詩人は…激浪のなかで女たちを生かし奮い立たせた命への愛と、痛みをうたった》《声を継ぐということは命を継ぐことに等しいことを、この詩集は静かに訴える》
◎岡和田晃さん評(「図書新聞」2020.4.18)
《石牟礼道子の小説を読むかのように、言語という「国境」を超克するものとして読むことができる》
白波に身を投じる瞬間、海女は詩であった。
海に浮かぶ瞬間から詩であった。
海女は水で詩を書く。
風が吹けば風に吹かれるままに、雪が降れば雪の降るままに、体いっぱいの愛を込めて詩を書きつづる。
水に生きる海女たちの物語の中で、水を知らぬ生を生きている私をのぞきみることができないだろうかと思いました。
みずからを弱い存在であると思い込んでいる人びとに、限界を飛び越えてゆく彼女たちの勇気を、手渡すことができるかもしれないという思いもあるのです。
――「日本の読者に手渡すささやかな息」より
聞こえないわからない痛みの記憶が確かにそこにあることを?みしめながら、女たちの語りえない記憶の標(しるし)を打ち込む言葉を紡いで、済州という島の記憶の地図を描きだすようにして歌うホ・ヨンソンの詩の世界の一端に、このとき私ははじめて触れた。
--姜信子「訳者あとがき1」より
海女は水で詩を書く--。韓国済州島の詩人ホ・ヨンソンの詩集。日本植民地下の海女闘争、出稼ぎ・徴用、解放後の済州四・三事件。現代史の激浪を生き抜いた島の海女ひとり
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