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怪異はつくられた!?
「つくる」をキーワードに、江戸時代を生きた人びとと怪異のかかわりを歴史学から解き明かす書。
人がいなければ、怪異は怪異にはならない。では誰が何を「あやしい」と認定して怪異になったのか。つまり、怪異はどうつくられてきたのか。そこにある様々なありさまを、当時の「知」の体系に照らし描ききる。章立ては、近世の怪異をつくった第一人者、林羅山からはじまり、政治、本草学、語彙、民衆の怪異認識、化物絵、ウブメ、河童、大坂、古賀?庵の全10章プラス補論3章。
全方向から怪異のあり方を突き詰める、これからの怪異学入門が遂に誕生。怪異ファン必携。
【ある物事を怪異だと認識するのは、人間です。たとえ石が宙に浮いた、山を越えるほどの大きな蛇がいた、夜の川辺で小豆を磨ぐような音がしたなどの出来事も、人がいなければ、人が認識しなければ怪異にはなりません。つまり、人がいて初めて怪異は成り立つのです。
こうした怪異に関わる人のいとなみを、本書では総じて「つくる」という言葉で表現してみたいと思います。
「つくる」いとなみは、多種多様です。怪異だと認識することも、当然「つくる」いとなみです。ある物事を誰がどのような理由で怪異だと決めたのか、その判断は、歴史性を帯びています。例えば、古代の律令国家では、国家つまり政権しか怪異の認定をすることができませんでした。もしも個人が勝手に「あれは怪異だ」と言いふらしてしまえば、その人は処罰を受けることが法で決められていたのです。誰(個人・共同体・国家など)がどのような理由で、特定の物事を怪異だと認識するのか、言い換えれば、誰が怪異を「つくる」のでしょうか。】......「序章」より
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