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19世紀初頭を駆け抜けたドイツの天才劇詩人・クライスト。「チリの地震」「ミヒャエル・コールハース」「壊れ甕」そして「ペンテジレーア」など、日本でも長年親しまれ──鴎外が驚愕し芥川が激賞し太宰が傾倒した──、カフカ、ヴァルザー、グラック、J・M・クッツェー、あるいは多和田葉子、さらにカール・シュミットやジル・ドゥルーズ、ポール・ド・マンらを魅了してきたクライストの作品世界を、「政治的なるもの」を斬り口に、そのアクチュアリティを抽出する。国家の創設と防衛、戦争と例外状態、人民軍、共和制と愛国主義、公共圏と君主制など、クライストの作品世界の形姿は「政治的なるもの」=実存を賭した抗争に覆われていると言っても過言ではない。吊り支えられる崩壊と破局の美学を根底にした、ギリシャ悲劇(「アンティゴネー」「バッカイ」)に通じるその高貴な劇的世界に新たな光を当てる、本格的にして野心的な初のクライスト論集。書き下ろし力作評論三篇に、ノイマン、ハーマッハーを初めとするドイツでの最重要論文四篇を併せて訳出。略伝、作品梗概併録。
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