文化庁が文化財修復に使う漆液を国産のものにするという方針を確立してから、国内産ウルシの増産がもとめられている。植栽研究での課題は実生の場合の10数%という低い発芽率、漆液の豊産型の優良系統の選抜育成などである。
本書ではこうした課題に取り組んできた森林総研を中心とする研究プロジェクトの最新成果を集成して収録。また、利用面では漆液のナノレベルまでの微粒子化によるナノウルシ研究(おもに明治大学理工学部)の成果やウルシ材に含まれるポリフェノールに優れた染色性があることに注目した漆染めを収録。
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