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出生前診断を“正しく知る”ための,基本的知識から実際のエピソードまでを交えた,専門医によるわかりやすいガイドブック。妊娠や出産,もし悩んでいることがあったら,読んでみてください。
本書では,専門医による出生前診断の解説をはじめ,出生前診断を理解するうえで非常に大切な,遺伝学の基礎を学ぶことができます。
また,付録では,避けられる先天異常(先天性感染症)について詳しく解説しています。
2014年の母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査の日本への導入報道を契機として,いわゆる出生前診断が急速に社会の注目を浴びるようになりました。
その背景として,日本ではこれまで出生前診断(NHKは“しゅっしょうぜん”ではなく“しゅっしょうまえ”と発音するそうです)あるいは検査について国として系統だった方針が全くなかったうえに,女性の社会進出に伴う晩婚化が重なり,高年妊娠によるダウン症を初めとする胎児染色体異常のリスクの上昇に対する妊婦さんたちの関心の高さがあります。
しかしながら,わが国ではこれまで,学校教育の中で遺伝学についての系統だった授業が行われておらず,このことが社会の不安をいたずらに助長してしまった感があります。本書では,日常的にわれわれ産科医がどのように胎児の管理をしているのか,出生前診断・検査を通してどのように胎児と母親・家族を守っていこうとしているのか,お伝えしたいと思います。(はじめにより)
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