唐中期浄土教における善導流の諸相

佛教大学研究叢書

唐中期浄土教における善導流の諸相

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出版社
法蔵館
著者名
加藤弘孝
価格
9,350円(本体8,500円+税)
発行年月
2020年2月
判型
A5
ISBN
9784831861351

本書は中国仏教史変革の時代に当たる唐中期に焦点を当て、とりわけ善導流の浄土教家の思想的特徴を中心に考察することで、唐中期仏教全体の様相を浮き彫りにしていくことを目的とする。
中国浄土教の大成者という評価を受けることもある善導(ぜんどう、613―681)の浄土教思想は、その没後、懐感(えかん、生没年不詳)などにより継承されていくが、唐中期に差し掛かると、その浄土教思想は埋没したかのようになる。その後、宋代に至ると、再びその名前が浮上し、浄土教の祖師として列されていくことになる。この間、善導の影響は断絶していた訳ではなく、上流層、大衆層にそれぞれ変容して受容されていたと考えられる。そこでそれらの様相を明確にすべく、上流の受容を反映する『念仏三昧宝王論』と大衆の受容が反映される『念仏鏡』への検討をおこなう。
第1部(『念仏三昧宝王論』の思想史的研究―その統合仏教思想に着眼して―)では、飛錫(生没年不詳)によって撰述された『念仏三昧宝王論』の思想史的研究をおこなった。飛錫は中央仏教界において主導的地位にあった僧侶であり、その主著である『宝王論』には仏教界を統括していくという撰述動機が内在していると考えられる。そこで各章において、『宝王論』の統合仏教思想を検討した。
第2部(『念仏鏡』の思想史的研究―その人師信仰に着眼して―)では、道鏡(生没年不詳)らによって撰述された『念仏鏡』に対する思想史的研究をおこなった。『念仏鏡』は大行(生没年不詳)という浄土教家の遺徳を顕彰する目的で道鏡ら弟子筋が撰述したものと考えられる。そこで各章において人師信仰の観点から検討をおこなった。
本書では浄土教のみならず三階教など、安史の乱(あんしのらん、755―763)前後の各宗派の動向を明らかにすることができ、本書の考察は唐中期仏教思想史の再構築にも繋がっていくものである。

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